何かとよく分からないフリーランスの手続、ネットで調べてみると開業届は出しても出さなくてもいいように思えます。
どちらも正解なのですが、一応開業届は事業開始後1ヶ月以内に出すことがルールになっています。
ですが、出さなくてもペナルティはありませんし、確定申告をすればそれをもって開業届を出したのと同じ効果が生じます。
しかし、開業届は事業を開始したら即出すことをオススメします。なぜなら、出さなかった場合にペナルティはないものの、損をしてしまう可能性はあるからです。
なぜ開業届を即出すべきなのか
「開業届を事業開始後1ヶ月以内に税務署へ提出すること」、これは所得税法で定められているルールです。
フリーランスも法律を守らないとダメだから。
というのはもちろんそうなのですが、最大の問題はこのルールを守らないと最初の年に青色申告を適用できないというところです。
青色申告を適用できれば、最大で65万円分の収入に税金がかからなくなります(控除)。
青色申告が適用とならなければ、強制的に白色申告となりますが、こちらの控除はたったの10万円です。青白の控除額差は55万円、税金などを収入の25%だと想定すると・・・
これだけ持っていかれるお金に差が出てしまいます。14万円近くもあればアレもコレも・・・絶対余分には払いたくないですよね。
なお、青色申告を適用するためには開業届を出すことに加え、「青色申告承認申請書」の提出が必要になります。
こちらはフリーランス事業の開始後2ヶ月以内が提出期限ですが、サクッと作れるので開業届と一緒に出しちゃいましょう!
※確定申告については別途記事を書く予定です
開業届の書き方
開業届は国税庁のwebサイトから入手できる所定のフォーマット(様式)に必要事項を記載して提出します。
書き方は基本的に見れば分かるものではありますが、補足しておいても良さそうな箇所がいくつかあるので、確認しておきましょう!
以下の画像では開業にあたり最低限記入が必要な箇所を赤枠で囲っています(クリックでズーム)。画像中の①〜④はこの後言及する箇所です。
①税務署名
税務署は住所によって所管が決まっています。こちらから確認できるので、所管税務署の名称を書きましょう!
ちなみ新宿税務署が所管だったら「新宿」だけ書けば良いです。「税務署」まで書くと、「新宿税務署税務署長」となり、なんで2回言うねんって話になるので。。
②職業と屋号
別の記事でも言及したのですが、ここに記載した職業は地方自治体の個人事業税所管部署にも把握されます。
ここに記載されている職業名が個人事業税の対象事業となるかの判断材料になります。つまり、課税されるかどうかに影響するので、その前提で書く内容を考えましょう!
なるべく自由や裁量がなさそうな職業名を書いておくのが無難です(エンジニアよりはプログラマーやコーダーの方がいい)。
また、屋号は書かなくてもいいのですが、実名以外で営業したい方は書きましょう。
銀行で屋号名の口座を開設することなんかも可能ですが、その際に証拠書類として開業届の控え提出を求められることがあります。
屋号名と口座名義とが一致している必要がある、つまり開業届の屋号名が口座名義になるので、そのことも考慮して名前を決めましょう!
※開業届が必要ない銀行も少しあるみたいです。
③開業日
当然と言えば当然なのですが、開業日以前の支出は確定申告で経費にできません。
なので、開業日を記載する場合には経費にできそうなお買い物内容なども考えた上で日付を設定しましょう!
④事業の概要
職業名と同じく、ここの内容も個人事業税に影響してきます。記載にあたっての考え方も職業名と同様です。
開業届の様式はPDF形式になっており、そのファイルは書き込みできるのですが、管理人は住所と事業が一部しか印字されませんでした。
なので、この2箇所は空欄にして、後から手書きした方がいいかもしれません。
開業届の出し方
開業届の出し方は以下3つの方法があります。
- e-tax(税金関係手続のシステム)
- 所管税務署へ郵送
- 所管税務署へ持参
e-tax利用の手続
正式名称は国税電子申告・納税システムというようです。
これを使えば確定申告もオンラインで完結させられるので便利なのですが、利用するには手続が必要です。
面倒な上に分かりづらいのですが、青色申告で最大の控除を受けるためにはe-taxによる手続が必要なので、対応しましょう!
現行方式による利用方法(ID・パスワード方式)
こちらはID・パスワードを活用した利用方法です。マイナンバー制度導入前からのやり口ですが、マイナンバーを使って手続きすることもできます。
- webサイトからマイナンバーカードを使ってID・パスワード方式を届出する
- 税務署に出向いてID・パスワード方式を届出する(本人確認書類が必要)
マイナンバーカードを持っていない場合には税務署訪問一択ですが、こちらの現行方式はマイナンバーカード普及までの暫定措置となるようです。
なので、そのうちマイナンバーカードによる手続のみとなり、こちらの手続は廃止されるものと思われます。
ということで、マイナンバーカードを持っている場合には、以下の方法がオススメです。
マイナンバー方式による利用方法
こちらはマイナンバーを活用した簡易な手続方法です。手続の入口はなぜか3つあります。
- PC用の受付サイト
- スマホ用のe-taxページ
- マイナポータル(利用者識別番号が必要)
こちらの手続の場合、マイナンバーのICチップを読み取るための機器が必要になりますが、ICカードリーダーか対応スマホがあればOKです。
最近のスマホであれば、おそらくチップの読み取りは可能だと思うので、抵抗感がなければマイナンバーカード方式で対応した方がいいと思います。
郵送・持参
郵送と持参の場合には、e-taxよりも出すべき書類が多くなるので確認しておきましょう。青色申告を適用する場合には、以下の書類があればOKです。
- 開業届
- 開業届(控え)
- 青色申告承認申請書
- 運転免許証など身分を証明する書類
- マイナンバーを確認できる書類(住民票でもOK)
また、家族・従業員に支払う給与などを経費にする場合やインボイス対応等のため消費税の課税事業者になる場合には、以下の書類も必要になることがあります。
こちらは状況に応じて提出しましょう!
- 青色事業専従者給与に関する届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 課税事業者選択届出書
なお、郵送の場合、上記書類に加えて宛名・切手を貼りつけた返信用封筒も用意しましょう!
税務署の方で開業届を受け付けた証拠として、開業届(控え)にスタンプを押すのですが、返信用封筒がないとこれを送ってもらえません。
開業後は帳簿作成が必要
収支は帳簿にする必要がありますが、抜け漏れがあると税額にも影響が出てきます。
また、必要な帳簿が揃っていないと青色申告取り消しという恐ろしい目にあうので、日々コツコツと記帳していくのが良いです。
そして記帳のためには会計ソフトが必須ですが、ここ最近はクラウド型のソフトが主流です。
その中でも、料金の安さと使いやすさに定評がある弥生会計はとてもオススメです!1年間無料で使えるので、ぜひ試してみてください!
開業届は出さなくてもいい?のまとめ
今回はフリーランス・副業の第一歩となる開業届について解説しました。最後に本記事のまとめです!
- 開業届は出さなくてもペナルティはなく、確定申告をすれば開業届を出したことになる。
- 開業後1ヶ月以内に開業届を出さないと開業年は青色申告を適用できない。
- 開業後2ヶ月以内に青色申告承認申請書を出さないと開業年は青色申告を適用できない。
- 青色申告を適用できないと、税金が多くなってしまう可能性がある。
- 開業届の内容は個人事業税にも影響する。
- 開業届はweb、郵送、持参のいずれかで提出
- 開業届を郵送で出す場合には返信用封筒の準備を忘れずに
- 開業後はコツコツ記帳すべし!
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