フリーランスの税金はいついくら払うの?所得税と住民税以外に何がある?

「フリーランスになったけど税金っていついくら払えばいいの?どんな種類の税金があるの?」

「税金わけ分からんので、もう税理士にぶん投げようかな・・・」

こういった悩みを持つ方のため、この記事ではフリーランスが払う必要がある税金の概要について解説してみたいと思います!

さて、一口に税金といっても人によって支払うべき税金は違ってきます。

具体的には業種と収入によりますが、大体の感覚だと平均的な収入であれば、収入の20〜25%くらいを税金に持っていかれると考えればOKです。

フリーランスが関係する税金
  • 所得税・・・・・・国の税金
  • 住民税・・・・・・地方自治体の税金
  • 個人事業税・・・・地方自治体の税金
  • 消費税・・・・・・国の税金
  • 国民健康保険・・・地方自治体の保険料(税)
  • 国民年金保険・・・国の保険料

 ※地方自治体とは都道府県・市・区・町・村のことです。

これらがフリーランスが主に支払うことになる税金です(便宜上公的保険料も入れてます。)。

以下、詳細を解説します!

目次

フリーランスの所得税はいついくら払う?

毎年、1月1日から12月31日までの1年間に発生した個人の所得に対してかかる税金です。

会社勤めだと毎月給料から天引きされますが、フリーランスは確定申告の終わり(3月中旬)までに払わなくてはなりません。

所得というのは収入から経費と各種控除を差し引いた金額で、この所得に税率をかけて税額が決まります。

うぇぶ子
控除ってなに?
おおのり
控除というのは経費以外に「このお金には税金かけたらかわいそうだよね」というもので税金がかからないお金のことなんだ。結構たくさん種類があって、その内容は法律で決まっているよ!

また、所得税は累進課税制度というものによって所得がゾーニングされていて、下表のようにそのゾーンによって適用される税率が違ってきます。

簡単に言うと「収入が高い人はいっぱい税金払ってね」という制度になります。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

課税所得が200万円の人の例:2,000,000*10%ー97,500円=102,500円

※課税・・・・・税金を払う義務を課すこと(国や自治体側のアクション)

※課税所得・・・税額計算の基になる金額

フリーランスの住民税はいついくら払う?

住民税はお住まいの都道府県と市区町村に対して払う税金です。

毎年6月上旬ごろに課税額の通知と払い込み用紙が届くことになります。

大体の自治体で一括用の用紙と四半期(6月・8月・10月・1月)ごとの用紙が同封されていて、どちらで払っても良いということになっています。

また、所得税の課税額計算の基が「その年の収入」がベースになっているのに対し、住民税は「前年の収入」がベースになっています。

会社退職後、1年以上経ってから多額の請求が来て悲鳴をあげる人が後を絶ちませんが、このベースの違いこそが原因です。

そして、そうなっているのは所得税と住民税が同じ情報を使って課税されているからです。

税業務と情報のフローを見てみましょう!

STEP
国の所得税業務

所得税は確定申告の時期(〜3月中旬)に払うことになるので、これが終わると所得税の課税業務が落ち着いていきます。

STEP
確定申告の情報を国から地方自治体に提供

国の所得税業務がひと段落してしばらくすると、国がお住まいの自治体に確定申告の情報を提供します。県庁や市役所・区役所には申告していないのに勝手に課税されるのはこのためです。

STEP
提供されたデータを元に地方自治体が住民税を課税

所得税は確定申告などで払う側に金額まで申告させていますが、住民税は自治体の方で計算した上で個別の払込用紙などの準備もするので、とても時間がかかります。その結果、住民税は翌年の6月に請求が来ることになります。

住民税遅延の謎が分かったところで、次は税率を確認しましょう。

住民税の税率なんて普段あまり意識する機会がないので知らない人も多いのですが、実は住んでいる場所によって若干違ってきます。

僕が住んでいるところだと、10.025%と6,200円が固定額としてかかるので、それを例にとって税額を見てみましょう!

課税所得が200万円の人の例:2,000,000*10.025%+6,200円=206,700円

うぇぶ子
住んでるところで税率が違うなら、安いところに引越しちゃえばいいね!
おおのり
どこに住んでもほとんど変わらないから、引越し代の赤字を補えないと思うよ・・・

フリーランスの個人事業税はいついくら払う?

個人事業税はお住まいの都道府県または区市町村に対して払う税金です。

支払いは基本的に8月と11月の2回です。ただし、個人事業税は全てのフリーランスが支払う税金ではありません。

個人事業税は法律で対象業種が決まっており、その業種に当てはまる人だけが課税されることになります。

ちなみに個人事業税の法律は古いので、web制作やエンジニアなどの比較的最近になって出てきた職業はバチっと対象業種に指定されているわけではありません。

課税されるかどうかはお住まいの自治体の判断になります。ちょっとややこしいのですが、課税対象になる金額は概ね以下のとおりです。

収入ー経費ー各種控除+青色(白色)申告特別控除ー290万円

個人事業税では、一律290万円という独自の控除額が設けられている代わりに、所得税の時に控除された青色申告や白色申告の控除が適用になりません。

税率は業種によって違いますが、ほとんどのフリーランスは5%です。

所得税の課税所得が200万円の人の例:2,000,000円+650,000円(青色申告)ー2,900,000円*5%=課税なし

「対象業種になっている」かつ「290万円差し引いた後の所得がプラスの値」であれば課税対象になりますが、その人の業種が対象になるかどうかは税務署に届け済みの情報で判断されます。(個人事業税も確定申告の情報が税務署から自治体へ提供されます。)

そして、法律に指定されている業種かどうかを自治体側で判断できない場合は、仕事内容について文書や電話でお尋ねが来ます。

その回答を基に課税するかどうかが決まることになる、というわけです。

なので、お尋ねにどう答えるかが課税されるかどうかのターニングポイントになったりするのですが、ほとんどの人はそのことを知りません。

ちなみに、web制作やエンジニアの扱いはグレーです。対象業種になるかどうかを検索してみると、人によって言うことが正反対だったりします。

これは課税されることもあれば課税されないこともある、というのが実態だからです。

課税されることに疑義がある場合には、自治体の担当者とお話ししてみましょう。

対象業種に該当しないことを納得してもらえれば、過去に払ったものも返してくれます(たしか過去5年分までが対象だったと思います)。

なお、お話しする前に「課税業種に該当しない」という論理の整理が必要です。ポイントは「働き方」です。

フリーランスの消費税はいついくら払う?

モノやサービスの購入する際に発生する税金で、対象になる人は毎年3月末までに国に対して払うことになります。

消費税には特例が設けられていて、「前々年の売上が1,000万円未満」であれば免税可(払わなくていい)となっています。

なので、ほとんどのフリーランスは普段のお買い物以外でご縁がなかったところですが、インボイス制度の開始に伴って免税権を捨て、課税事業者になる方がとても増えてきました(払わなくてもいいのに、自ら進んで払うのを選ぶということです)。

うぇぶ子
売上が少ないのに、課税されることを選ぶ人なんているの?
おおのり
インボイスは消費税を課税される事業者じゃないと発行できないんだ。インボイスがないとフリーランスに仕事を発注する側の税金が増えて嫌がられちゃうから、売り上げが少なくても進んで課税事業者になるフリーランスが増えているんだよ。

フリーランスの根強い反対もあり、インボイスは開始直前まで制度内容が定まりきらない状況が続きました。

そのおかげか「前々年の売上が1,000万円未満」の免税可能な事業者がインボイスのために課税事業者となる場合には、2026年9月までは負担が軽くなる「2割特例」と呼ばれる計算方式が適用できるようになりました。

これは売上の消費税相当分の2割を払えばいい、というものです。

売上が440万円の人の例:4,400,000円*1/11*20%=80,000円

ちなみに消費税は3つの計算方法があります

消費税の計算方法
  • 一般課税・・・売上分の消費税から仕入分の消費税を差し引く
  • 簡易課税・・・売上分の消費税に業種ごとに一律に適用される仕入れ率(控除率)を乗算する
  • 2割特例・・・売上の消費税分に20%を乗算する

仕入額が高くなる場合は一般課税方式を選んだ方が良かったりするので、状況に応じて適用する計算方法を考えましょう!

フリーランスの国民健康保険料(税)はいついくら払う?

全フリーランスが強制加入となるもので、地方自治体に対して払うものです。

概ねどの自治体も6月から翌年3月まで毎月末近くに払うことになるもので、口座振替や払い込み用紙により納付が可能です。

保険料率の仕組みは住民税と少し似ていて、一定の率+固定額という構成になっています。率も固定額も自治体によって違いますが、僕が住んでいるところでは10.3%(40歳以上は13.3%)+63,710円です。

国民健康保険はただでさえ高いのですが、さらに厄介なことに各種税金で有効だった所得控除が効きません。税の所得控除には国民健康保険や国民年金保険料の他、節税策として名高いidecoや小規模企業共済なども入ります。

それら全部、健康保険では控除を受け付けてくれないので、計算の基となる所得金額が所得税・住民税よりも確実に高くなります。。

このため、国民健康保険は支払い義務がある公的なお金の中で一際高くなるのが一般的です(怒)

基準所得が300万円の人の例(40歳以上):3,000,000*13.3%+63,710円=462,710円

うぇぶ子
40歳以上だとなんでたくさん払わなきゃいけないの?
おおのり
40歳以上になると「介護保険」というものに加入しなきゃいけなくて、それで増えちゃうんだよね。

フリーランスの国民年金保険料

こちらもフリーランスは強制加入のもので、毎月国に対して払うものです。

金額は収入に関係なく一律に決まっていて、2023年度は月16,520円になります。

年間の保険料:16,520円*12=198,240円

会社員は収入に応じて金額が高めになるのと、さらに同じ額を会社が雇用者として収めているので、将来もらえる額にかなり差が出ます。

このあたりが気になる方は国民年金基金で積立するなどして、将来に備えるといいかもしれません。利率は少ないから貯金みたいなものですが、払い込んだ額は所得控除にできるので、節税効果があります。

フリーランスの税金はいついくら払うの?のまとめ

いかがだったでしょうか。改めて見ると「ボッタクリやんけ!」と叫びたくなりますよね。

会社員の人からは「自営業だとなんでも経費にできるんでしょ?」なんて思われがちですが、実際のところ個人のフリーランスが経費参入できる項目はかなり限定されてしまうので、節税は必須だと思います。

節税についてはまた別の記事で書かせてもらおうかと思いますので、興味があればご覧いただけると嬉しいです!

最後に今回解説した各税金のまとめを記載します!

  • 所得税・・・・・・全フリーランスが対象、確定申告の終期までに払う
  • 住民税・・・・・・全フリーランスが対象、四半期(6月・8月・10月・1月)または一括で払う
  • 個人事業税・・・・対象業種のフリーランスのみ、年2回(8月・11月)払う
  • 消費税・・・・・・課税事業者が対象、3月末までに払う
  • 国民健康保険・・・全フリーランスが対象、6月から翌年3月にかけて払う
  • 国民年金保険・・・全フリーランスが対象、毎月払う

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うぇぶ子
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この記事を書いた人

【経歴】元公務員でフリーランスのweb製作者 / 退職後3ヶ月弱でフリーランス活動開始→4日後に初案件の依頼→webマーケティング会社から長期案件受託 / 現在は動画制作にチャレンジ中
【英語】中学レベルまで低下した状態から勉強を再開し、5ヶ月弱でToeic835点を取得 / 現在は英会話を勉強中

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